台湾入国時の「別送品(後送行李)」免税の手続き方法

届いた後送行李

だーげーほーです。

日本に一時帰国すると、生活用品から食料品、子供のものなど沢山の買い物をします。そしてスーツケースに収まらなかった分は郵送で台湾に持ち帰ることにしています。

前回(2016年)の一時帰国の際にも日本で買った生活用品を船便で送ったのですが、台湾の税関から関税を請求されたことにより、高額な商品でなくても関税がかかることを知りました。

日本から送った荷物に関税がかかった時の話

 

そのため今回(2017年)の一時帰国では事前に「日本から台湾に手荷物で持ち帰れなかったものを郵送する際に免税を適用する方法」を調べて実行したので、そのやり方を書いておきます。

今回は航空便を使いましたが、船便・EMSでも方法は同じです。台湾に入国する人は基本的に誰でも使えるので、私のような一時帰国者に限らず、例えば台湾に行く時に持参するお土産を郵送する場合でも免税できます。

申告しないと、日本から持ち帰った荷物に関税がかかる

免税範囲内の物品を後から送ることを日本語では「別送品」と言い、台湾では中国語で「後送行李」と言います。

「別送品」とは、引越荷物、旅先で不要になった身回品、土産品などを、携帯品として持ち帰るものとは別に渡航先から郵便や宅配便などを利用して送ったものです。 別送品として通関できるものは、原則として本人の帰国(入国)後、6ヶ月以内に通関できるものに限ります。 なお、商業貨物や高額な物品等を別送品として本邦に送った場合には、一般の貿易貨物と同様の手続きが必要となる場合があります。

7102 別送品がある場合の税関への申告手続(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs

上記は日本入国時に日本の税関で手続きする時の説明ですが、海外から日本に荷物を送る場合と概念としてはほぼ同じでわかりやすい文章なので引用しました。

要約すると、別送品とは本来なら入国時に関税を回避できるものを、手持ちせずに郵送や宅配便で送っても課税されないようにできる制度のことです。

台湾在住の人でも、台湾から日本に引っ越したり、台湾で買ったお土産を日本への帰国時に郵送することがあれば適用されますね。

「日本(またはその他の国)から台湾に荷物を送る場合」は、日本の税関ではなく台湾の税関(中国語では海關)が管轄する話になります。なお郵送の場合でも内容品の価格が2000元(約7400円)以下の場合はそもそも課税されないので、後送行李の手続きは不要です。
財政部關務署臺北關-後送行李

MEMO
【追記】2022年現在、半年以内に6回を超えて海外からの荷物を受け取る場合は免税金額でも課税される可能性があります。想定外のプレゼントを受け取る場合や海外通販などもカウントされるので、在住者は2000元以下でも念のために手続きしておいた方がよさそうです。

後送行李を使える条件

後送行李は海外から台湾に入国時に免税範囲内の金額の物品を携帯せずに台湾に送る際に使える方法なので、入国していない人は使えません。

よって通常の発送、例えば本人の入国がない場合や、本人が日本で買ったものでも販売元が直送した場合は適用されません。入国時免税の範囲を超える物品についても不適用です。台湾では出入国時に持ち込めるのは「輸出入制限品目表」に記載されていない物品で、価値が20,000USDまでという制限があります。

輸出入制限品目および入国時の制限詳細については桃園空港のサイトに記載があります。
桃園國際機場-入国申告-

具体的な品目や数量については海關のサイトに記載があります(中国語)。
財政部關務署臺北關-入境報關須知

後送行李の申告方法

今回は日本郵便を使って自分で送る荷物について書きます。宅配便その他のケースは調べていません。また専門家ではありませんので、あくまで私の経験談である旨ご了解ください。

荷造り・荷物ラベル作成

まず、台湾に行く前に日本から送る荷物のラベルを作成します。その時、本人が持ち帰ることが前提なので依頼主と届け先の氏名を同じにする必要があります。

今回の荷物は子供用のおもちゃの車・衣服・キャンディーと夫の靴下です。「内容品の詳細な記載」欄に書いた品名(英語または中国語)と数量、金額をメモしておきます(私はスマホのカメラで撮影しておきました)。

また荷物の箱には念のため大きく日本語と中国語で「別送品」「後送行李」と書いておきました。英語では「unaccompanied baggage」なので、駄目押しで書いておいてもいいかも。

MEMO
「別送品」は中国語だと「物を送らないで」という意味なので、台湾に送る場合「別送品」だけだと誤解を招くかもしれません。ご注意ください。

台湾入国前の税関申告書作成

次に、台湾行きの飛行機の機内で中華民國海關申報單(税関の申告書)を乗務員にもらって書きます。一番上に空運と書いてありますが、船便やEMSでもこちらの申告書に書きます。

注意点として、金額について郵送のラベルは日本円で記載していますが、台湾元に換算して書く必要があります。レートの変動もあるので大体の金額で大丈夫です。なお品目の点数が多くて書ききれない場合、品目名を列記して数量は空欄でもOKです。

台湾入国時の税関申告書提出

台湾の空港に到着後、入国審査を済ませて預け手荷物を受け取り、入国ゲート手前の税関手荷物検査で赤いほうのライン「應申報檯(関税申告カウンター)」に進みます。

そこで係員に後送行李がある旨を伝え、先ほどの中華民國海關申報單を提出して手続きをしてもらいます。

一番下に管理のための番号が書かれており、万が一配達時に関税がかけられた場合に大事な情報となるので、こちらの写真をスマホで撮っておいてと言われました。申告書は一枚で、コピーや写しはもらえません。

※後日、別の機会に手続きした時は写真を撮っておけと言われなかったので、自分から「撮らせて」と言いました。係員によって対応が異なるので忘れずに撮っておきましょう。

台湾入国後、荷物が届くまで 

後送行李は台湾入国の翌日から6ヶ月以内に通関する必要があり、関税がかかった場合は通関の翌日から15日以内に申し立ての必要があります。ということは荷物を早く送りすぎる=台湾入国前に本人より先に荷物が届くのはダメということかと思います。

今回海關の係員から聞いた説明では、通関手続きの際に確認の電話がかかってくることがあるそうで、その時に後送行李であることを伝えてくださいとのことでした。後送行李と箱に書いていなかったら電話がなくそのまま課税される可能性があり手続きが面倒なので、わかりやすく大きく書いておきましょう。

今回の荷物は無事到着しましたが、次回以降もし関税がかかるようなことがあったらまた記事を更新するつもりです。

後送行李に課税された場合の返還手続き

2021年の年末に台湾に入国した際、後送行李で送った荷物に税金が発生しましたが、無事取り戻すことができたので追記します。

一時帰国で持ち帰る荷物を船便で送ったのですが、内容金額66,000円ちょっとの荷物に1,900元弱(日本円で8,000円弱)の税金がかかりました。

事前に特に連絡はなく、自宅に荷物が届いたときに郵便局員に税金を払うよう言われたため
「後送行李なんですけど」
と伝えたところ、
「自分は郵便局員なのでわからない、税関に聞いて欲しい」
とのことで、ひとまず払って受け取ることになりました。

荷物に添付されていた少額郵包進口稅款繳納證という書類を確認すると、進口稅・營業稅などの税金の内訳が記載されていたので、荷解きせずに管轄の海關に電話しました。

その後の手続きとして「進口稅款繳納證と、入国時に中華民國海關申報單に記入された管理番号を送って」と言われました。ここで管理番号の写真が役に立ったわけです。

この時は春節直前で、休暇に入るとしばらく対応ができないため、先にEmailで写真を添付して処理を進めてもらい、進口稅款繳納證の現物は後から郵送しました。

その後海關から自宅宛に支票(小切手)が郵送されてきたので、それを自分が口座を持っている銀行に行って処理してもらうと、数日で口座に1,900元弱が全額入金されました。

 

ちなみに私は支票を見るのが初めてで、中華郵政発行のものだったため郵局で現金化するのかと思って行きましたが、支票は現金での支払いには対応していないのだそうです。

「中華郵政の口座を持っていない場合は口座のある銀行で身分証(居留證またはパスポート)と一緒に提示して払い戻してね」と窓口で教えてもらいました。

つまり銀行口座を持っていない場合は払い戻しができないらしいのです。しかも記載された名義の口座でしか受け取れないとのこと。では銀行口座を持っていない旅行者の場合はどうなるのか?という疑問が残りますが、今後わかったら追記します。

だーげーほー

入国時に手続きしておかなかったら丸々損するお金なので、後送行李は忘れずに申請しておきましょう!

後送行李に課税された場合の返還手続き(修正版)

2023年に一時帰国した際に、上記の方法で郵便局員に支払った690元の營業稅を取り戻せなかったため、改めて正しい手続きについて追記します。

海關の人曰く、税関手荷物検査の「應申報檯(関税申告カウンター)」で管理番号を受け取って入国後、空港内の非完成区域にある税関に行って、後送行李があることを登録してもらうのだそうです。

だーげーほー

この情報を得るまでに、海關や空港などあちこちたらい回しにされて、トータルで2時間ほど電話する羽目になりました……疲れた

じゃあなぜ前回は管理番号のみで税金を返してもらえたのか?と聞いてみましたが、誰もわからないとのことです。残念ですが、台湾ではこういうことが割と起きます。

次回後送行李を使う時には、改めてこちらの手続きでやってみて、結果を追記する予定です。

国際郵便マイページサービスのトップ日本から台湾へ、家から一歩も出ないで簡単にEMSを送る方法 【500Pプレゼント】楽天グローバルエクスプレスでお得に海外配送! 在外邦人に朗報!転送JAPANで楽天の買い物を180円で配送した話

4 COMMENTS

アバター sindia

こんにちは。
記事を読ませていただきました。私は2020年8月末に台湾に留学するのですが、初めて入国する場合は後送行李は利用することは出来ないのでしょうか?また、コロナの影響により入国審査が厳しいのですが、関税申告カウンターには行っても大丈夫なのでしょうか?ご返答よろしくお願いいたします。

返信する
だーげーほー だーげーほー

こんにちは。初回でも利用できますよ。
現在の入国体制はわかりませんが、通常は関税申告カウンターは一番最後の場所にあり、必ず通ります。もし通常とルートが違ったり海關の係員がいない場合は「我有後送行李要處理,請問海關在哪裡?」のように聞けば教えてくれると思います。自分から主張しないとスルーされる可能性があるので頑張ってください。
それともし入国時に下宿先以外で在宅検疫する予定だったら、自分で自宅で荷物を受け取れないと面倒かもしれないので、出発後にご家族に荷物の発送を頼むなどして日数を調整した方がいいかもしれませんね。

返信する
アバター sindia

ありがとうございます。
とても参考になりました。立て続けに質問をしてしまい申し訳ないのですが、私の中国語のリスニング、スピーキングはまだ自信がないのです。よろしければ海關で聞かれる内容を教えていただきたいのですけれどもよろしいでしょうか?

返信する
だーげーほー だーげーほー

航空便・船便・EMSのどれで送ったかなど聞かれたような記憶もありますが、人によって対応や言い回しが違うので、中国語でやりとりするより英語の方がいいと思いますよ。もしくは中国語のメモを用意しておいて筆談した方が確実です。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA